第4章 アナル処女を与えて


 わたしが夫を裏切ってしまったのは、夫の仕事が忙しくなってわたしに構ってくれなくなったからです。
 それはいいわけに聞こえるでしょうか?
 わたしよりも仕事を選んだ夫は悪くはないでしょうか?
 最初夫を嫌っていたわたしが夫を愛するようになったことを知って、放置してもわたしが裏切ることはないと考えていたのでしょう。
 女はいつも愛して欲しいものなのです。いくつになっても。皺だらけのお婆ちゃんになっても。



 浣腸を手渡されたわたしは茫然として男を見つめた。男はアナルファックを要求しているのだ。
 「ちょ、直腸を、き、綺麗に、し、しておかないと、びょ、病気になると、か、書いてあった。き、綺麗に、し、してよ」
 満面の笑みを浮かべて言う男に、ため息も出なかった。
 「待ってて。すぐに用意するから」
 そう答えるしかなかった。
 (はあ、アナルファックか・・・)
 もう止めようかと考えた。けれど、彼しか望みの綱はないのだ。ともかく性転換される前にここから逃げ出さなければならないのだ。そのためには、例えホモになっても仕方がないのだ。
 スカートを捲り上げて、ショーツを降ろし、浣腸した。我慢に我慢を重ねて、腹の中にあるものをすべて下した。さらにもう一度浣腸した。二度目は便らしきものはほとんどでなかった。
 「終わったわ」
 扉を叩くと、男はバケツとタオルを持ってきて、身体を綺麗にするように命じ、ポータブルトイレを持ち出していった。
 身体を拭き清めた頃、男が戻ってきた。嬉しそうな笑顔が忘れられない。
 「ま、まず、キ、キスしよう」
 唇が重ねられた。舌が差し入れられてきたけれど、気もそぞろでいつもの喜びがない。男の舌が首筋から胸を這い回っている間も快感はほとんど覚えなかった。ただ、乳首だけは感じてわたしのペニスは元気に硬くなっていた。
 今日は行けなかった。こんな状況で行けるはずもない。
 「フェ、フェラチオ、し、してくれるよね?」
 したくはないけれど、せざるを得ない。わたしは男の前に跪いて、ズボンをおろしてやり、出てきた半立ちのペニスを咥えた。わたしの口の中で男のペニスはグイグイと膨らんでいった。
 (この大きなものを受け入れられるんだろうか?)
 心配になるけれど、かなり太い糞が出るんだと考え直した。
 「きょ、きょうは、す、少し、お、おかしいよ。い、いつもは、も、もっと、じょ、上手なのに」
 指摘されて、丁寧に舐め始めた。
 「も、もういいよ。き、キミの中に、だ、出したい」
 男はそう言い、腰を引いた。
 「こ、これを、つ、着けた方がいいって。で、でも、ど、どうしたら、い、いいのか、わ、わからないんだ。ど、どうやるんだ?」
 コンドームを取り出し、困惑したように告げた。コンドームを着けたことがないと言うことは、童貞なんだろうかと考えた。
 (童貞だとして上手くやれるんだろうか?)
 上手くやれなかった場合、取引はどうなるんだろうなと考えながら、コンドームを着けてやった。自分のものに着けるのと違ってやりにくかった。
 (いよいよか・・・・)
 わたしはベッドの上に仰向けになる。男がわたしの両足の間に入ってきた。
 「も、もう少し、あ、足を上げてよ。い、入れられないよ」
 コンドームの着け方はわからなくても童貞じゃないみたいだと考え直し、両膝を抱えて進入しやすいような体位を取った。
 男が膝をずる様にして身体を寄せてきた。わたしのアヌスに男のペニスが宛がわれた。
 (ああ、やっぱりできない!)
 「嫌だ、嫌だ。嫌だ!」
 わたしは叫び、膝をおろして俯せになった。
 「吉良! 吉良!! もういいだろう! もうお終いにしてくれ!」
 悔しくて悲しくて嗚咽が漏れた。止めどなく涙が溢れ、ついには大声を上げて泣いていた。
 どれくらい泣いていただろうか? わたしは泣くのを止めた。いくら足掻いても吉良はわたしを女にすることを止めることはないだろう。逃げ出すしかないのだ。そのためには、この頭の足りない大男に身体を与えるしかないのだ。
 わたしは仰向けに戻り、両膝を抱えた。
 「い、入れさせて、く、くれるんだね?」
 「ええ。早くして」
 「わ、わかった」
 男はすぐには体勢を作らず、ごそごそと何かをしている。どうしたんだろうと考えていると、緑色のチューブを取り出してきた。
 「こ、これを、わ、忘れていた。こ、これを、ぬ、塗った方が、い、いいんだって」
 それは滑りをよくする潤滑ジェリーのようだった。男はわたしのアヌスとコンドームをした自分のペニスにジェリーをたっぷり塗ると挿入の体勢を取った。
 「い、いいかな? い、入れるよ」
 わたしが頷くと男はわたしのアヌスにペニスを宛がった。もう逃げない。もう吹っ切れた。躊躇いはない。
 なかなか入らないようで、男は腰を前後させていた。やがてわたしのアヌスが男のペニスによってゆっくりと広げられていった。
 ゴクッと大きな音がしたような気がした。男のペニス、亀頭がアヌスを通過したのだ。その瞬間、激しい痛みがわたしを襲った。
 焼け火箸を突っ込まれたという表現があるけれど、熱した鉄の棒を突っ込まれたような痛みだ。
 痛いと大声で叫びそうになるけれど、何とか我慢した。そうするしかないと考えたのだ。こんなことをしているのは、男を喜ばせてこの部屋から脱出するためだから、痛いと泣き叫んで男を不快にさせるわけにはいかないのだ。
 男のペニスがなおもわたしの中に進入してくる。わたしのアヌスが男のペニスをひくひく締め付けているのがわかる。そのたびに痛みがわたしを襲っていた。
 「は、入ったよ」
 男のその言葉に、思わず涙がこぼれ出た。男なのにこんなことをしなければならない自分が悲しくて、嫌気が刺していた。
 「あ、あれ? ど、どうして泣いてるの? な、なにが、か、悲しいの?」
 心配げな表情で男がわたしの顔を覗き込んできた。
 「悲しくて泣いてるんじゃないの。あなたとひとつになれたことが嬉しくて泣いてるの。これは嬉し涙よ」
 悲しい、悔しいなんて言わない方がいいと考えたのだ。
 「う、嬉し涙か。そうか。お、俺と、で、できて、う、嬉しいのか。そ、そうか。う、嬉しいのか」
 ニコニコしながら、男は腰を動かし始めた。引き始めていた痛みがわたしを再び襲う。叫ばないで耐えている自分が偉いと思った。
 男が唇を重ねてきた。舌を吸うような元気はなかったけれど、力を振り絞って男の舌を吸った。
 わたしにとって気が遠くなるような時間が過ぎ、ついに男が雄叫びを上げて果てた。ビクンビクンと震えるのを骨盤の奥で感じた。
 (ああ、ついにやってしまった・・・)
 また涙がこぼれた。男がその涙を指で拭い取った。
 「そ、そんなに、う、嬉しかったら、な、何回も、や、やって、あ、あげるよ」
 できればこれっきりにしたいと考えながら、男とキスした。
 「あ、あれ? ち、血が、で、出てる。キ、キミ、しょ、処女だったんだね?」
 腰を引いて抜け出た後、男はにんまり笑っていった。ちょっと違うよと考えながら、わたしは頷いてやった。
 「約束、守ってよ」
 大きな犠牲を払ったのだ。できないなんて言わせない。
 「わ、わかってるよ」
 男は胸をどんと叩いて部屋を出て行った。
 (これは確かに破爪の血かもしれないな)
 アヌスを拭った指に付いた血を見て思った。

 翌朝、男は食事を持ってきたけれど、わたしを脱出させる素振りがない。
 「ここから出してもらえないの?」
 笑顔を向けて尋ねてみた。
 「きょ、今日は、だ、だめだよ。ご、ご主人様が、い、いるんだ」
 がっかりした。けれど、それなら仕方がない。男が部屋を出て行ってから、今日はだめと言うことは、今晩、男とセックスしなければならないんじゃないかと考えた。
 その予想が当たった。夕食を終えた後、男がまたも浣腸を持ってきたのだ。嫌とは言えず、わたしは浣腸を施し、男とベッドに入った。
 今日の男はやけに優しく、丁寧だ。わたしが自分の女になったと勘違いしているのかもしれない。そうに違いない。
 わたしの方も昨日のような緊張はない。いつものように男の愛撫に応えた。
 (ああ、感じる)
 わたしの乳首に対する執拗な男の愛撫に燃え上がるものを感じ、股間を熱くさせた。
 「ああ、行く、行く、行く」
 男の舌技にわたしは射精していた。
 「こ、今度は、お、俺に」
 言われなくてもわかっている。わたしは男のペニスにしゃぶり付いた。フェラチオすることにもう躊躇いも気恥ずかしさもなくなっている。
 しゃぶり上げ、先走り汁が出始めた頃、男が用意していたコンドームを着けてやり、仰向けになって膝を抱えた。男は早速わたしの上になり、わたしのアヌスにその屹立したペニスを宛がった。
 痛かったけれど、昨日よりはスムーズにわたしの中に入り込んだ。
 「う、嬉しいか?」
 怪訝そうな顔をして尋ねる。
 「ええ」
 「きょ、今日は、な、涙が、で、出ないんだな?」
 「昨日涙をみんな流してしまったから」
 そう答えて、男とキスした。納得した男は腰を打ち付ける。やっぱり痛くて叫びそうになったけれど耐えた。
 今日も男はなかなか行かない。それでも痛みが麻痺したようになった頃、ようやくわたしの中で弾けた。
 (ホモはこれで感じるんだろうか?)
 痛いばかりだ。別に感じたいとは思っていないけれど、こんな痛みが続くのでは耐えられない。

 翌朝、楽しみにしていたのに、返事は今日もご主人様がいるとのことだった。
 「ご、ご主人様は、い、忙しい人で、い、一日中、し、仕事をしていて、ほ、ほとんど、で、出かけることは、な、ないんだよ」
 その答えを聞いて愕然とした。
 「じゃあ、わたしをここから出すことはできないじゃないの」
 詰め寄ると、ご主人様は月に一度ほど息抜きに出かけると言った。
 「いつなの? いつ出かけるの?」
 「さ、最近、で、出かけたのは、せ、先週だったから、ら、来月の、あ、頭かな? で、でも、ご主人様は、き、気まぐれだから、も、もっと、さ、先になるかも、し、しれないし、も、もっと、は、早くになるかも、し、しれないな」
 「早くなるとしたら、いつ頃?」
 「そ、そうだな。さ、再来週、く、くらいかな?」
 せいぜい数日でカタがつくと考えていたのに、当てが外れた。そのことは、最低2週間は男とのセックスするを意味する。力が抜けた。
 (あれ? 待てよ。毎日仕事? と言うことは、首謀者は吉良じゃないってことか?)
 首謀者は吉良だけど、男がわたしを引き留めたいがために嘘をついているとも考えられるが、首謀者は吉良ではなさそうだと考えるようになっていった。

 男がわたしに迫るのは夕食後と決まっていた。それも、1回すると早々と引き上げていった。毎日ではあるけれど、複数回でないのがせめてもの救いだ。

 そうこうして1週間がたった。今日もご主人様は出掛けないと、いつもの返事だ。半分諦めていた。ただし、必ず出掛ける日が来ると期待していた。そうでなけばやっていられない。
 この頃になると男に挿入されても痛みは感じなくなっていた。あるのは違和感だけだ。
 「な、なあ、か、感じるかな?」
 男がわたしの顔を覗き込みながら尋ねる。
 「いい、いいわ」
 感じてはいないけれど、感じた振りをした。そんなことをしながら、わたしが付き合った女たちも感じていないのに感じた振りをしていたのかもしれないなと考えていた。
 「う、後ろから、い、入れてもいいかな?」
 後背位は女を支配している様に思えてわたしの好きな体位だった。だから、自分が後背位を取るのは感情的に許さない部分がある。
 けれど、ともかく男の要望はすべて受け入れなくてはならない。四つん這いになって男を再び受け入れた。
 男はわたしの臀をがっちりと掴み、ガンガン突いてくる。男の腿とわたしの臀が当たってパンパンと音を立てる。
 「うっ! うっ! うううっ!!」
 男が呻く。男がわたしの中で果てるのをはっきりと感じた。男がわたしの直腸を使って快感を得ていることに、ある種の達成感を覚えるけれど、これは男の仕事じゃないと頭を振っていた。

 アナルセックスを容認して2週間がたったころ、男に突かれていると身体の芯にモヤモヤしたものを感じるようになった。そのときはそれが何なのかわからなかった。
 さらに10日ほどたったとき、切ない気持ちが身体中を満たした。そして、わたしの股間に緊満を感じた。
 「ああ、ああ、ああ、いい、いい、い、行く、行く、行く・・・」
 さらに突き続けられてわたしは射精し、射精のたびに男のペニスを締め付けていた。
 「お、おう。し、締まる。し、締まる」
 男もわたしの中で果てた。

 この日を境にわたしはほとんど毎回行くようになった。アヌスを男のペニスで貫かれ絶頂を覚える、まさにホモのなっていたわけだけど、わたしとしては、アナルセックスはこの部屋からの脱出のためにやっていることで、一時的なものであり、ホモになっているという自覚はまったくなかった。
 わたしの性的対象はまだ女であり、脱出して、女性ホルモンの投与を絶ち、女性化したこの身体を元に戻せば、男として復活できるものと信じていた。
 わたしは夜半、これまで付き合った数々の女の顔を思い浮かべながらマスターベーションする。
 お気に入りは、大学4年の時に1年だけ付き合った女だ。美人でスタイルも良く、何よりテクニックが最高だった。その女の行き顔を想像しながら、ペニスをしごく。
 夕食後に乳首責めとアナルファックで2回行かされるからなかなか行かない。それでも男を維持するために頑張り、ついには射精に至る。
 (今日も大丈夫だ)
 安心して眠りにつくのだ。

 今日も男に貫かれて喘いでいる。この快感はマスターベーションでは得られないものだ。抜け出せなくなりそうな気もする。
 しかし、女とセックスすることができれば、わたしの男性性は必ず回復すると思っている。
 「あ、ううん・・・」
 絶頂の中でわたしは射精する。その瞬間は男性性への回復が揺らいでしまう。もうこのまま女の姿で女の役割を果たしもいいと。
 ただ、性転換だけは避けたい。このままここにいたら、性転換は必須だ。何としてでもここから抜け出すのだ。

 ある朝のこと、朝食を持ってきた男がわたしに告げた。
 「きょ、今日の午後、ご、ご主人様、で、出かけるって」
 逃げ出すチャンスが訪れたのだ。



 他に手段がないとはいえ、アナルファックに応じるとは前嶋は馬鹿な男だ。しかもアナルファックで行くようにまでなっている。わたしの思うつぼだ。
 前嶋の身体が完全に女性化した時点で無理矢理性転換手術を施そうと考えていたのだが、前嶋が男を誘惑して逃げだそうと画策し始めたことから方針変換した。
 そうこうしているうちに前嶋がアナルファックで行くようになった。それを目の当たりにして、性転換手術をもう少し先延ばしにしてみようかと考え直した。
 今考えているのは、男と暮らさせることだ。前嶋は夜中にマスターベーションしているようだが、性認識はまだ男のようだ。男と暮らさせることによって性認識が女に変わるかどうか実験してみたいのだ。
 いいことに男の感情に変化が見られる。それは前嶋への同情なのかどうかわからないけれど、特別な感情が生まれつつあることは確かなようだ。当初は前嶋との性交渉に前向きではなかったけれど、最近は喜んでやっている。夫婦のように暮らさせることに問題はないだろう。



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