第8章 同居の条件はレズビアン


 イヤだと拒否しても約束は約束でしょうと詰め寄られ、結局後ろ手に縛られた。さらに人工乳房の上下に紐が掛けられる。
 「ふふふ。いい感じ」
 笑みを満面に浮かべながら、少し離れてボクを見ている。
 「もう少し縛るわね?」
 「イヤだと言っても縛るくせに」
 膨れてそう言うと、可愛いわと賺された。膝を曲げさせられ、足首と太股の付け根が縛り付けられた。ほとんど身動きできなくなった。
 「記念写真を撮っておきましょうね?」
 「だ、駄目よ!」
 「いいから、いいから」
 ボクは上半身を前後に振ることしかできなくなっている。いくら拒絶しても叶わない。純は持ち出してきたデジカメでシャッターを切っていった。
 「構図がどうもねえ」
 そう言いながら、床の上にぺったんこ座りさせられているボクに近づいてきた。ちょっと考えてから、スカートを捲っていき、縛ったヒモが見えるようにした。
 「これだけじゃ、物足りないわね」
 膝の上にも紐を掛けて結び、シャッターを押した。
 「ショーツを白に穿き換えて貰って正解だったわね」
 ローアングルで撮らなくてもボクの穿いていたショーツが見えていた。
 「あら? 女の子なのに妙な膨らみがあるじゃない?」
 指でなぞられ、硬度を増し始めた。
 「触らないでよ」
 純はフフフと笑みを浮かべながら、ショーツの上を引っ張り降ろした。勃起したボクのペニスが頭を出した。
 「いただき!」
 カメラを構える。
 「止めて!」
 フラッシュが光った。角度を変えて、距離を変えてフラッシュが光った。
 「お願いだから。写真はイヤ」
 「その表情がいいな」
 純は一向に止める様子がない。萎えそうになるといじられて勃起させられ、写真を撮り続けられた。
 「さて、次はどうしようかな?」
 「もう止めてよ」
 泣き声になっていた。純は黙ったままボクを前に押し倒した。スカートがまくり上げられショーツが下ろされた。
 「こうして見るとやっぱり男のお尻ね」
 フラッシュが光る。そうしてから、尻が左右に開かれた。
 「あら? 案外綺麗なアヌスじゃない? 梓、ここを男に使わせたことがあるんでしょう? 紗也伽に聞いたわよ。ウンチが出るところなのに、やあねえ。まあ、女と違って、ここしか受け入れる場所がないんだから仕方がないんでしょうけどね」
 アヌスをユルユルと擦られた。そして指が挿入された。
 「あん・・・」
 「感じるのね? あら? よく締まるじゃない? 男が喜んで使うはずね」
 「虐めないで・・・」
 「虐めてなんかいないわ。梓を喜ばせてあげたいだけよ」
 純は男が感じるところを心得ているようだ。擦られると、身体の芯に沸き上がってくるものを押さえられなかった。
 「指じゃ、物足りないでしょうね。ちょっと待ってね」
 指が抜け去り、純がベッドルームに消えていくのが見えた。すぐに純は黒い物体を持って戻ってきた。
 「これなら満足して貰えると思うわ」
 目の前に差し出されたのは、言うまでもなくペニスの形を模したディルドーだった。
 「ちょっと太いからジェリーを塗りましょうね」
 ボクの見えないところでゴソゴソやっている。
 「お願いだから、もう止めてよ」
 「止めて止めてはもっとやってと言う意味よね。さあ、梓。腰を上げて」
 ジッとしていると、尻をばしっと叩かれた。
 「言うことを聞かないと痛い思いをするだけよ」
 バシバシと叩かれ、泣く思いで腰を上げた。
 「そうよ。いい子ね。さあ、あなたの欲しいものを上げるわ」
 アヌスに冷たいものが当てられ、そして入ってきた。
 「あら? すごい。さすが、経験があるだけのことはあるわ。こんなに太いものが簡単に入るなんて」
 さっき見せられたものが入れられたんだったら、そんなに太くはない。純は執拗にボクを辱めようとしているようだ。
 「あーっ、ああん」
 そんなに太くはなくても、指よりは太い。すごく気持ちがいい。
 「あら? 勃起してる。結構大きいわね? 梓、あなた、この大きなもので紗也伽を満足させていた上に、自分も男に満足させて貰っていたのね? 大したものだわ」
 言いながら、抽送を続けた。ボクは行き始めていた。ペニスの先から、トロッとロッとザーメンが零れ出ていた。
 「行ってるのね? 女とするときとは違う行き方みたいだね? どっちがいいの? ねえ、女とするときと、男にされるときとどっちがいい?」
 そんなこと答えるのはイヤだ。
 「早く答えなさい!」
 黙り込んでいると、尻を叩かれた。何度も何度も。
 「言う。言います。・・・男に、男にされる方が・・いいです」
 「嘘じゃないわね?」
 「嘘じゃありません。嘘じゃ・・・」
 男なのに、男とセックスする方がいいと告白するなんて酷い屈辱だ。けれど、それは事実なのだ。
 「はあ、疲れたわ。もう止めるわね」
 「ああ、止めないで。もっと、もっと・・・」
 まだ最高点に達していなかった。ここで止められたら、蛇の生殺しだった。
 「わかったわよ。でも、この代償は大きいわよ」
 そう言い、抽送を再開した。冷めかけていたものが上り始めた。けれど、どうしても頂点に達しない。それを見透かしたように純はボクのペニスをしごいた。一気に達していた。
 「ホントはしごかないで行かせたかったんだけどね」
 言いながらディルドーをゆっくりと抜いていった。
 「ふふふ。アヌスがピクピクしてる。いやらしいんだから」
 穴があったら入りたい、そんな心境だった。

 ボクの身体を縛っていたヒモが解かれていった。
 「あああ。スカートを汚しちゃって。水洗いしてきてよ。そのままにしておくとシミになるから。ついでにシャワーしてきなさい」
 ボクは這うようにして浴室に行き、スカートを脱いでザーメンで汚れた部分を洗い、裸になってシャワーを浴びた。
 これまで何度も男に犯されたけれど、純に弄ばれた今日が一番屈辱的だった。

 シャワーを終えて外に出ると、純がバスタオルを渡してくれた。そして、可愛かったわよと耳元で囁いて中に消えていった。ボクが脱ぎ捨てたセーラー服は消え、ネグリジェとその上にショーツが置かれていた。
 純がシャワーを浴びているうちに出て行こうかとも考えた。けれど、行く宛も仕事の宛てもない。
 仕事を探してネットカフェあるいは個室ビデオ暮らしをするには、ボクは甘い汁を吸いすぎていた。
 (ちょっと我慢すればいいんだ。それも仕事が見つかるまでだ)
 純に弄ばれること自体はボクにとっては屈辱だけど、得られる快感は屈辱に耐える価値があると考えた。
 ボクはショーツを穿いてネグリジェを着込むと、純が出てくるのを待った。
 「あら? 出て行かなかったのね?」
 「出ていってもいいって言わなかったから」
 そう答えると純はくすっと笑った。
 「梓はホントに可愛いんだから。毎晩愛してあげるからね」
 「純はサドなの?」
 「サド? 違うわ。レズよ。男の子を相手にするのは初めてだけどね」
 ボクは男だけど、女として扱っていくと言うことのようだ。ただ、サド的な部分が相当にあると思う。
 「さあ、もう寝ましょう。あ、ひとつ言って置くけど、梓の方からわたしに手を出さないこと。いいわね?」
 ボクは頷いた。紗也伽といたときは、ボクはベッドの右側に寝て、紗也伽がボクに足を絡めていた。今日はボクはベッドの左側に寝るように言われ、純に抱かれて眠った。違和感があったけれど、少し安らいだ気分だった。

 6時半に起き出して飯と味噌汁、卵焼きを作った。
 「塩鮭でもあればいいんだけど」
 「朝はいつもトーストだったから、買ってないのよ」
 「トーストの方がいい?」
 「ご飯に味噌汁の方がいいに決まってるわ」
 純は即答した。
 「じゃあ、今まではどうしてトーストだったの?」
 「味噌汁作るの、めんどくさいじゃない?」
 ひとり暮らしだったらそう言うことになるかなと思った。

 純を送り出したあと、紗也伽と暮らしたときのように洗い物をしてから掃除・洗濯をした。それから、純に紹介された美容室に出掛けた。
 割に大きな美容室で、何人もの美容師が働いていた。
 「嶋津梓さん、こちらのお席へどうぞ」
 通りから見える席に案内された。鏡を見て女には見えないと自分を安心させようとしたけれど、ばれないかやっぱり不安だ。
 「どのようなヘヤスタイルに致しましょうか?」
 「お任せします。これ以上短くならないようにしていただければいいです」
 「カラーはいかが致しましょうか?」
 「ああ、少し明るい色がいいです」
 「承知いたしました」
 洗髪、カット、洗髪、ヘヤダイ、洗髪、そしてブロー。いかがでしょうかと鏡を見せられる。ボクはニッコリ笑って、素敵ですと答えていた。

 美容室を出ると、まっすぐ仕事探しに出掛けた。いい仕事があった。ところが、履歴書と健康診断書がいるのだ。
 梓の生年月日も本籍も知っている。学歴は小学校から高校までボクと同じだから、問題がない。だから、履歴書は大丈夫なのだけど、問題は健康診断書だ。嶋津梓では健康診断書が取れない。
 履歴書はなんとかなっても、健康診断書のいらない職場となると、なかなかないのだ。
 (男に戻って働く手もあるけれど・・・)
 このヘヤスタイルでは男として働くのは恥ずかしい。それに、男に戻ったら、純のマンションにいられなくなる。
 働くときだけ男になり、マンションに戻るときには女装するという手があるけれど、いつ、どこで男と女を切り替えるかだ。純のマンションの住人に知られないようにするのは難しいだろう。
 そう考えながら、それはいいわけに過ぎないことがわかっていた。純の相手をすれば、働かなくてもやっていけることがわかっているからだ。
 結局仕事探しは放り出して、ウイーンドーショッピングをしてマンションに戻った。

 交代で夕食を作ることになっていて、今日は純の番だけれど、居候の身としては甘えるわけにはいかないと思い、ボクが夕食の準備をした。
 「何だ、夕食、作ってくれたの?」
 戻ってきた純が、助かったというような顔をした。
 「仕事が見つかるまでは、毎日わたしが作るから」
 「仕事が見つからないことを祈るわ」
 純はニッコリ笑って着替えに行った。

 午後11時、純はシャワーを浴び始めた。そして浴室から出てくると、ボクに人工乳房は外しておくように命じた。
 人工乳房を外してシャワーを浴びる。いつも胸に付いている人工乳房がないと、奇妙な違和感がある。ネグリジェを着たとき、その違和感はさらに大きくなった。
 ベッドルームに行くと純はボクを抱き寄せてキスした。キスしながらネグリジェの襟元から手を忍び入れて乳首をコリコリと抓んだ。勃起してきていた。
 長い長い貪るようなキスだ。さらにボクの首筋に舌を這わせていく。耳たぶを噛んだり、耳の穴に舌を入れたりもした。
 ネグリジェが脱がされて、乳首を舐められている。執拗に舐め、そして時々噛む。
 「う、うん・・」
 「男も乳首は感じるのね」
 ニタリと笑って、ボクに乳首を転がし続けた。
 (フェラチオとかしてくれるんだろうか?)
 期待したけれど、どうやらパスらしい。その代わりにアヌスが舐められた。凄く気持ちがいい。いいのかなと思うほど長く丁寧に舐める。そして、中に舌が入ってきた。
 「純・・・」
 「いいのよ。ここは梓の膣でしょう?」
 そうなんだと納得していた。
 「今度は梓がやって」
 攻守交代だ。今度はボクが純にされた通りにお返しをしてやった。純のオマンコは自体はピンク色で可愛いと思ったけれど、陰毛はかなり濃かった。もちろん、紗也伽に比べてと言う意味だ。
 指を入れようとしたら、頭を思いきり叩かれた。
 「誰がそんなことをしていいって言ったのよ!」
 ボクはごめんなさいと頭を下げた。
 「俯せになって! 腰を上げなさい!」
 またやられるのかと溜息をつきながら、四つん這いになった。ジェリーらしきものがたらされ、指が入ってきた。
 「感じるでしょう?」
 「か、感じるわ」
 前立腺が擦られている。長い間指を使って解し続けた。そして抜けていった。
 (今度はディルドーだよな)
 そう思っていたら、純の両手がボクのヒップを掴んだ。えっと思った瞬間、アヌスに入ってきた。
 「純、何なの?」
 「ペニスバンドよ。聞いたことがあるでしょう?」
 純が腰を動かしていた。まるでペニスで貫かれているようだ。純に命じられるまま体位をいくつか変えた。男と違って、終わりがない。純の気が済むまで抽送が続けられた。
 「純、もう止めて。もう止めて。気が狂いそうよ。もう、止めて・・・」
 ボクのペニスが時々ピクピクと震え、ザーメンがぼたぼたと零れ出ていた。それは射精と言えるものではなかった。それでも気持ちがよかった。
 ある瞬間、純は動きを止めて身体を震わせた。まるで男が射精したかのように。

 翌日はペニスバンドを相手にフェラチオさせられ、最後はやはりペニスバンドで貫かれて行かされた。
 純は挿入させてくれない。純は生粋のレズだ。純は恐らく男を一生受け入れることはないだろう。
 「子どもを産むなんて、真っ平よ」
 将来子どもを産むつもりはないのかと尋ねてみたら、そんな答えが戻ってきた。
 「だったら、男になりたいの?」
 そう尋ねるのが当然だろう。ところが、答えはぜんぜん違っていた。
 「どうしてわたしが男にならなきゃ行けないのよ」
 「ペニバン使って、こんなことをしてるのに?」
 「別にいいじゃない?」
 そう答える純の心がよくわからない。
 「それはそうと、梓、今日もその服を着てるの?」
 「えっ? 着るものをあんまり持ってないから」
 「そうか。じゃあ、わたしの服を着たら? サイズは同じでしょう?」
 「いいんですか?」
 「構わないわよ。ほら、これなんて、どう? 似合うと思うわよ」
 純は早速タンスの中からスカートとTシャツを取りだしてきた。スカートは、黒のミニスカート。フレアがたっぷり入っていて可愛らしい。Tシャツは芥子色で7分だけのものだ。いいと思ったけれど、襟ぐりが大きく開いていた。
 「純、これだと、人工乳房が見えてしまうわ」
 「あの手を使っても駄目?」
 あの手とは、例の谷間を作る方法のことだ。
 「うーん。もっと膨らみがないとこれは着られないわね」
 「そうか。膨らみか。梓、もしかして・・・豊胸する?」
 純にそう問われて、ボクは純を見た。命じられたら実行すると約束させられているのだ。イヤだとは言えない立場だ。ところが、次に出てきた言葉は違っていた。
 「豊胸させたいけど、お金がかかるからねえ」
 そう言ったので、これはないなとホッとした。
 「豊胸すれば健康診断も受けられるから、就職できて稼げるのにねえ」
 残念そうに言う純の目に何かが光った。お金を掛けずに豊胸する手を考えついたのかもしれないと感じた。



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