会社から大金を持ち逃げしたボクは、交通手段を変えながら転々としていた。
その日、レンタカーから電車に乗り換え、都心に向かっていた。
その電車の中でボクそっくりの男に出会った。
その時は、よく似た男がいるものだと感心しただけだった。
ところがその直後、ボクの乗った電車が脱線事故を起こし、大惨事となった。
ボクのよく似た男が死んだように横たわっているのを見て、恐ろしいアイデアが浮かんだ。
その男と入れ替わって、追っ手から逃げようというのだ。
この入れ替わり、果たしてボクに取って損となったか、得となったか?
この電車に乗り合わせていたのは、『ニューハーフ・樹理』に登場した三人です。